■ 今期はチャレンジ仕込みとして、14度の低アルコール原酒といたしました。
かつて原酒と言えばアルコール分18度19度のお酒という強いイメージでしたが、純米での吟醸造りにおいて高いアルコール分は酵母への過剰なストレスとなり、それによって酵母が死滅して異臭(酵母臭)を発し、くどいアミノ酸も増えて非常に重くて飲みにくいお酒になる事があります。特にこのお酒で使用している宮城B酵母はアルコールへの耐性が低いデリケートな大吟醸向けのため、更に低いアルコール分に仕上げる事が鉄則となっています。無理をして高アルコール状態になるまで発酵を進めると、同じ量の原料米からより多くのお酒を造る事が出来る反面、間違いなく雑味も増加してしまいます。
そうならないよう、近年では弊社通常商品の原酒でもアルコール分を15~16度程に抑えていますが、この新酒のメガネ専用は更に低い14%台といたしました。単にアルコール分が低い段階で早めに搾れば良い訳ではありません。発酵途中のアルコール分が低い状態のもろみ中には、糖からアルコールに変化する前の物質(ピルビン酸)の濃度がまだ高く、これがアルコールに変化する前に搾ってしまいますと、木のような匂いや、ムレたような悪臭を発してしまいます。しっかりと発酵を終わらせて搾る直前に単に水を加えてアルコール分を下げただけですと、今度は薄いだけのペラペラなお酒となってしまいます。異臭を抑えながら味わいも保持しつつアルコール分を低く抑えるには、緻密な醪管理の技術が必要となります。また、アルコール分の高い原酒
= 価値が高いという訳では無いと考えております。
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■ 特定名称・精米歩合は表記いたしません。
特定名称制度は平成2年に導入され、現在30年が経過しています。その結果、特定名称という言葉は広く周知されました。その代わりに大吟醸とはこういうものだ、純米酒なら価格はこのくらいだと言うような固定観念も少なからず生まれ、その枠から飛び出す事が出来にくくなっているように感じます。
しかし、現代の日本酒は味や見た目もバラエティに富み、特定名称や精米歩合に縛られない様々な個性あふれるお酒がたくさん登場しています。
この新酒のメガネ専用も同様に、特定名称や精米歩合に縛られないお酒としてお客様に選んで頂きたいとの思いから、敢えて表示しないことといたしました。(詳細をご希望の場合には、大変お手数ですが個別にお問い合わせください。)
~ お 酒 の ご 説 明 ~
■ 商品名 新酒のメガネ専用(1回火入れ・要冷蔵)
・原材料名 米(国産)、米麹(国産米) ・アルコール分 14度(原酒) ・日本酒度-1 ・酸度2.1
■ 火入れですがデリケートな酒質です。通常便で発送いたしますが、到着後は速やかに冷蔵し、低温での管理してください。また、熟成にはあまり向かないと考えます。
■ 呑み方:よく冷やして。やや温度が上がると味わいが広がります。
■ もちろんコンタクトレンズ・裸眼の方にもお召し上がりいただけますが、
ご判断はお任せいたします。
■ 香り、味わい、インパクトのある酸味を両立した甘酸っぱいタイプの味わいです。それら全てを際立たせる為、それぞれを別に仕込み、最適な割合でブレンドしたお酒です。日本酒業界では1タンク1商品信仰が少なからずあるように見受けられますが、目標とする酒質を達成するための手段としての『ブレンド』は非常に有効であり、それは確かな技術であると考えています。
■ 新酒特有の角の立った味わいを、ファミコンのドラゴンクエスト風のドット絵で表現しました。
■ メガネふき等のノベルティグッズは付属しません。
■ インスタグラムに写真を投稿して頂く企画は実施いたしません。
■蔵元:萩野酒造株式会社